春秋戦国時代と覇権の行方

キングダムが話題になっています。中国の2000年以上前の時代である春秋戦国時代を題材にしているわけです。

しかし、多くの方が春秋ん戦国時代と三国志は違うの?とか、どっちが古いのか?とかキングダムは史実なのか?架空の世界のお話しなのか?という事が分かっていないようです。

そこで、今回は春秋戦国時代の事について書こうと思いました。

ちなみに、キングダムの世界は春秋戦国時代の最後の方で秦王の嬴政が、世界史の教科書でも有名な秦の始皇帝となります。

 

尚、始皇帝が登場する前に、中国は500に渡って動乱の時代だったわけです。

 

おおざっぱではありますが、春秋戦国時代がどの様な時代で、どの国が覇権を握ったりしたのかを紹介します。

 

周王朝は犬戎に追われて周都を鎬京から洛陽に移しました。ここにおいて春秋戦国時代が始まります。

周王朝は諸侯を抑える事が出来ずに、小国となりましたが権威だけが残っている状態でした。

最初に強大な勢力を持ったのが鄭の荘公だったわけです。春秋五覇には数えられる事は滅多にありませんが、荘公の時代の鄭は戦いに強く非常に強国でした。

しかし、荘公の死後に衰えていきます。

 

次に覇権を握ったのが斉の桓公で宰相の管仲は中国史上最も優れた宰相だとも言われています。

しかし、斉の桓公の死後に後継者争いがあり権力は衰えました。

宋の襄公も覇者になろうとしますが、失敗した部分もあり結局は、晋の文公重耳が覇者となります。

しかし、重耳の死後は、南方の雄である楚の力が強大となり荘王が覇者となります。

重耳の時代は、始皇帝の先祖である秦の穆公も活躍しましたが、死後に衰えているわけです。

次に、覇者となったのが呉越同舟などの故事でも有名な越王句践や呉王闔閭などです。

これが春秋五覇のメンバーたちになりますが、春秋五覇は書物によってメンバーが違う為、一概に言う事は出来ませんが、斉の桓公、晋の文公だけは必ず入ります。

 

春秋戦国時代は北の晋と南の楚の争いが激化していきますが、超大国となった晋が大臣に国を乗っ取られるような感じで3つに分裂しました。

これが韓・趙・魏の3国でキングダムでもお馴染みの国となります。

 

この3国が分裂した事で、戦国時代が始まったわけです。

尚、周王は全く力を失っていて、晋の大臣を新たな国として認める事になりました。

これは周王が任命した晋の分裂を正す事が出来なかった意味が強く、ここにおいて戦国時代の始まりだとされています。

 

戦国時代の初期ですが、魏の文侯が名君で圧倒的に魏が強国でした。秦王政の先祖である秦の君主は魏の君主の攻撃の前に領土を奪われていきます。

これに関しては、呉起の活躍が大きかった事になるでしょう。

 

しかし、その死後に衰えていき、逆に秦は商鞅が国を改革していき、斉も国力を上げていきます。

 

その結果、秦と斉の2強時代になりお互いに帝を名乗ったりもしました。

しかし、燕の楽毅が合従軍を結成し、斉が壊滅状態になり復興はしますが、これより先は秦の1強時代となり、他国の領土を侵略していきます。

 

特に秦の昭王の時代の白起は他国の領土を奪い多くも兵士を斬首しています。趙も武霊王の時代は強国でしたが、死後に領土は奪われてしまいました。

 

秦王政の時代となりますが、これから先がキングダムの時代の話です。

 

嬴政の時代の初期は呂不韋が権力を握っていましたが、ろうあいの事件などもあり失脚して、嬴政が自ら中心となり政治を行うようになっています。

 

戦国四君の最後の一人である春申君が合従軍を率いて函谷関に攻め寄せますが失敗に終わると、秦は次々に領土を奪い、韓・趙・魏・燕・楚・斉を滅ぼして天下統一します。

この時に、王翦、李信、蒙恬、王賁などの助けがあった事は言うまでもないでしょう。

 

内政面においても、李斯、昌平君、昌文君などの活躍も大きかったはずです。

 

趙の李牧あたりは、秦に対して善戦していますし、楚の項燕も抵抗したり、秦から昌平君を迎えて楚王として反撃もしましたが、結局は滅ぼされています。

 

ここにおいて、秦は天下統一しました。しかし、秦王政は始皇帝を名乗ると不老不死を願ったり、阿房宮万里の長城の建設など土木工事に夢中となりました。

始皇帝が生きているうちは、まだ国は乱れませんでしたが、国民のストレスは限界に達していました。

ここにおいて始皇帝が亡くなると、宦官の趙高が最高権力者となり始皇帝の後継者である扶蘇は死に、胡亥が跡継ぎになります。

蒙恬は誅殺されていますし、弟の蒙毅も同様に殺害されてしまいました。

 

政治が荒れて来ると、陳勝呉広の乱が起きて、さらに項羽劉封が蜂起すると、秦は滅ぼされてしまいました。

統一後わずか15年で秦は滅びました。500年の戦乱の時代を終らせた国がわずか15年で滅び始皇帝死後で考えれば、4年で滅びています。

 

これが春秋戦国時代の覇権の行方となります。

キングダムの読者の人はガッカリするかも知れませんが、秦は呆気なく滅びました。

私がキングダムで一番好きな武将は誰か?と聞かれれば、李牧を上げるでしょう。

悲劇の名将ではありますが、戦争の上手さは史実でも白起と並ぶほどだと考えています。

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